気づいたら、まとめてた。

ただひたすらに興味のある事柄をまとめるだけの簡単なお仕事です。

カルロス・ゴーンが伝えたかったこと。

9/17日、弊学に

 

カルロス・ゴーンが来ました 。

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たまにこういう「やばい(誉め言葉)ゲスト」を呼ぶから油断ならない。

 

カルロス・ゴーンといえば倒産の危機にあった日産自動車のV字回復を成し遂げた稀代の経営者として有名ですよね。今は三菱自動車で元気にしているそうです。

 

自動車業界に興味は特にありませんが、「リーダーシップを語る」ということだったので聞きに行きました。

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リーダーシップって就活始めるとめちゃくちゃ聞きますよね。

 

なぜこうもリーダーシップが求められる時代なのか。カルロス・ゴーンの論を展開しつつ考察したいと思います。

 

 

 

 

 

 

1.ダイバーシティ(多様性)とリーダーシップ

突然ですが、あなたの友達はあなたと考え方や性格、発言などがよく似ている、ということはありませんか?

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人間というものは同じような人と群れるのが好きな生き物です。(動物なら大体そうか。)

 

では、なぜ同じような人と群れるのか?

答えは単純、楽だし安心できるから。

 

人間を含む動物は自分と違う存在がいると弱点を探しはじめ、攻撃することで自分のテリトリーを守り安心しようとします。

 

基本的に人間にとってダイバーシティは相容ることのできない概念なんです。

最近の傾向を見ると、グローバル化と共にダイバーシティも加速度的に進んでいます。

これらのことからダイバーシティの先にあるのは「混乱」である、とゴーン氏は述べています。

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ではなぜ、いまダイバーシティがこれほど叫ばれているのでしょうか。

ゴーン氏に言わせてみれば、ダイバーシティというのはイノベーションの源。

しかし、組織だって行動しなければこのイノベーションは成しえません。

 

人間と動物との違いは「ダイバーシティを超えて共に協調できるか」にあります。

動物は種が違えば協同は大変難しくなります。しかし、人間は性別、国籍や人種など様々な障壁があれど一つにまとまることができます。これが人間の最大にして最強の武器です。

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このバラバラにむいたエネルギー(ダイバーシティ)を同一のベクトルに向けること(マネジメントすること)ができれば、ダイバーシティにおける弱みを人間は克服できるということです。

 

ではダイバーシティをマネジメントするには何が大切なのか。

それは、「繰り返し説明すること」です。

 

一回きりのスピーチで「はい、わかりました。」と従業員が従ってくれるならば経営者にとってこれほど楽なことはありません。そんな会社はもはやダイバーシティのかけらもありません。

 

多様な意見が出るでしょう。賛成派もいれば反対派もいる。

ここで重要なのは「なぜダイバーシティが大切か」ということをロジックを組み立て事実を示しながら納得させることです。

もしこのロジックがなければ、上層部の押し付けだと思われたり、次の日には心変わりされてしまいます。

納得させること、これが何よりも大切なことなのです。

 

会社の長期的な目標は、利益を上げ続けること。

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このダイバーシティを促進するとどんな利益が会社にもたらされるのかを従業員には信念と忍耐をもって説明し続ける必要があるとゴーン氏は結論付けました。

 

優れたビジョンを描き、それを伝え続ける努力が大事です。

 

 

 

2.そもそもリーダーシップとは何か

じゃあビジネスにおけるリーダーシップってなんなのよ。

 

ゴーン氏は簡潔に「成果を出すこと」と定義しました。

リーダーは政治やビジネス、スポーツなどなんでも「現状をより良くするため」に選ばれます。

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現状をより良くするためには成果を上げなければなりません。

したがって、リーダーシップとは成果を上げること、というロジックです。

ゴーン氏にとってまず成果を上げなければリーダーとは言えません。

 

また、この成果も短期的なものではいけません。

会社の目標、前提とは「成果を上げ続けること」です。

将来への備えも万全にしたうえで長期的に成果を上げ続けなければこの目標は達成できません。

 

リーダーは常に組織に対していかに力強く貢献するかを考えねばなりません。

 

では、どうすればチームを率いて成果を挙げることができるようになるでしょうか。

ゴーン氏は2つの力が重要であると述べています。

一つは「人とつながる力」です。

組織は個人の集まりによって成り立っています。

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この個人をどうすれば引き付け、モチベートできるかということが非常に大切であるとしています。

 

さらに人は学びたい、納得したいという欲求があります。

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リーダーはこの欲求を満たすため、先に述べた通りビジョンを示しつつ何度も何度も言い聞かせる力が必要であるとゴーン氏はしています。

 

この2つの力があればあなたも立派にリーダーとしてチームを導くことができるでしょう。

 

 

3.ゴーン氏が見る、日本人の特徴

ゴーン氏は次に日本人の特徴についても言及していました。

日本人の最大の強みとは「整理し規律する力」と述べています。

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これはわかる。集団行動とか得意だもんね、うんうん。

日本を代表する企業、トヨタでは4S というものがあります。

整理、整頓、清掃、清潔の頭文字の子音を合わせて4Sといった具合です。

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東南アジアの工場を日本人が買収すると瞬く間に整備され、きれいになり生産性が著しく向上した、なんてエピソードもあります。

 

また、組織に対して献身的に貢献できることも日本人の強みである、と述べました。

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ゴーン氏はフランス人ですが、日本人以上に日本人という人間をよく理解している方だと僕は思います。

 

物事全てがそうであるように、この最大の強みも弱みと表裏一体です。 

では日本人にとって最大の弱みとは何でしょうか?

 

それは変化を嫌うことです。

今の時代はテクノロジーが急速に進歩し、どんな産業にも変化の波が押し寄せています。それまでは上手く回っていたビジネスモデルをこれから先も同じように続ける、ということは不可能に近いでしょう(銀行などが好例ですね)。

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今までの日本は東、東南アジアにおけるパワーハウス、つまり原動力としてその役割を果たしてきました。しかし、昨今のASEANの伸びや中韓の台頭など、状況は目まぐるしく変化しています。

 

ゴーン氏は「変化の裏にチャンスあり」と説いています。

このような外部環境の変化をいかにピンチではなく、チャンスとして捉えることができるかが今後の日本の分かれ道ではないでしょうか。

 

 

 

4.自動運転ってどうなの?

①なぜ自動車産業は伸びるのか

これから伸びるとされている業界の中で最も注目すべきはモビリティ、つまり自動車産業であるとゴーン氏は強調しています。

 

人類は鉄道、自動車、飛行機などモビリティ(移動手段)を追求してきました。

しかしながら、国によっては鉄道などがまだまだ発達せず不便な生活をしている人がたくさんいます。

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通勤通学に山や平原を越えなければならないため行けない、といった話を聞いたことがある人もいるでしょう。

 

もし仮に、彼らが車を持つことができればどうでしょうか。

仕事を探しに行けるし、学校だって楽に行くことができます。

モビリティは最低限度の生活を保障する存在なのです。

 

 

また、世界人口73億人のうち、45億人(61%)ほどは8ドル未満/1日で生活しています。月にすれば250ドル、日本円にして2万5千円程度です。

そのような人たちにとって車は夢のまた夢。しかし、先に述べたようにモビリティは今や最低限度の生活に必要になっています。

 

もっと安価に、もっと安全にすることが自動車業界に課せられたミッションであるといえるでしょう。

 

②自動運転ってどうなのよ

昨今は自動運転が話題を呼んでいます。

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しかし、まだまだ発展途上な技術であるため死亡事故を含む事故のニュースが絶えません。

これから本当に自動運転技術は普及するのでしょうか。

 

現在、交通事故による死者数は140万人ほどです。ここで重要なのはその死亡事故の90%はヒューマンエラーということです。これを一気に解決できるのが自動運転の魅力なのです。

現状、事故が起きているのはまだまだ自動運転技術はプロトタイプに過ぎないからだとゴーン氏は続けます。しかしながら単一車道における活用実験や、事故時の法的処遇など様々な面で官民一体となって進めているのだとか。

 

印象的な言葉として、現在の運転技術では「人間が運転の奴隷になっている」というものがありました。

運転をしている間はよそ見をすることも、ハンドルから手を離すこともできません。

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しかし自動運転技術によって人間はそれらから解放されるのだ、とゴーン氏は力強く言いました。

宣伝しなくてもみんな大好きになるよ、とも。

 

市場は拡大し続ける上に、最新技術が詰め込まれるという夢のような業界ですね。ロマンの塊かよ。

 

5.最後に

ゴーン氏は講演中に「人とつながること」「人を納得させること」の重要性を特に強調していました。

これからの時代、ますますバックグラウンドの全く異なる人たちで構成された組織に若者はとびこんでいくことになるでしょう。

そんな中でこれらの力があればその組織をまとめあげ、より大きな成果を挙げることができます。そういった意味では、これら2つの力は普遍的な力であると言えます。

 

 

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「成果を挙げられなければリーダーとは呼べない」という言葉はゴーン氏の生き抜いてきた、まさに生き馬の目を抜くようなスピード感であるビジネスを如実に表現した一文であると思います。

また、成果で人は判断するというところに経営の面白さであったり、厳しさを見出すことができるのではないかとも考えます。

 

ゴーン氏の言うリーダーとはビジョンを掲げ人々を率いるビジョナリーリーダーそのものです。彼はビジョンについて書籍でこうも述べています。

 

「ビジョンは退屈ではいけない。船を建造するとは、人を集め、木材を用意し、人に個々の作業を割り当てることではなく、大海原を目指すという目的を与えることである。」

 

 

リーダーシップ論については今後理論と実践をまとめた記事を書くつもりなので、そちらで詳しく説明できればと思っています。

 

 

 

以上です。

テレアポの経験

 

皆様、お久しぶりです。

  

突然ですが

テレアポインターン(長期営業インターン)を卒業しました。

 

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2か月間かけまくりました。

今までの人生で電話かけた回数をはるかに上回りました。

 

これを乗り切れば成長できるかも……と思い、めっちゃ頑張りました。

 

 

結果、メンタルが死にました。

 

 

なぜこのインターンを始めようと思ったか。

やっている最中、何を思っていたか。

卒業間際、何を思っていたか。

これからどうしていくか。

 

これを自戒をこめて書いていきます。

長期の営業インターンを考えている人の参考になれば幸いです。

 

 

1.なぜ始めた?

そもそもなぜこんなこと始めたかっていう話です。

 

圧倒的成長をしたかった!……ではなく。

ばりばり稼ぐぜ!!…ではなく。

 

「営業ってどんな感じ?働くって結局のところどうなの?」

まさにモラトリアム。こんな感じでゆるゆるの動機で始めました。

 

僕は現在マーケティング職志望ですが、商売の真髄は営業にあると思っています。

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現場で日々戦い続ける営業職。

顧客のニーズというのは実際にその現場に行って自分の目で見ないとわからない、というのが僕の考えです。現場主義。

また、営業スキルはどこに行っても使えるポータブルスキルです。めちゃくちゃほしい。

 

営業で現場経験を積んでからマーケティングを極める、というのが現在思い描いているキャリアパスでした。

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なので、この営業インターンはうってつけだったわけです。

 

こういった考えもあり、誘われたときは二つ返事で参加しました。

 

2.始まる悪夢の日々

開始時点

始めた当初はやる気に満ち溢れていました。

営業成績残すぞ。やってやるぞ。

負けず嫌いが良い方向に向いていました。

社員さんにも期待をかけていただきました。俄然やる気が出る。

 

インターンの主な業務はテレアポでした。それを社員の方々に回す。

電話での新規開拓営業、つまりコールドコールですね。

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簡単な説明を受け、「やりながら考えて、わからなかったら言って」と言われ初日の午後から架電(電話をかけること)を開始。

そもそも電話が苦手(現代っ子)なので恐る恐るかける。BtoBビジネスだったので企業に電話するのですが、就活生ということもあり緊張MAX。

 

初日は30~40件程度かけてアポを取れずに終わりましたが、それでも楽しかったです。断られてもそれは一つの経験だし、何より電話に慣れ始めたというのが自分でも感じることができたから。

 

2日目の午前中に初アポが取れました。嬉しくて嬉しくてたまりませんでした。社員さんやほかのインターン生の皆さんにたくさんの「おめでとう」という言葉をいただきました。

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この時、

 

あれ?割と自分って営業向いてる?

 

とふと思ってしまいました。

 

これが後の命取りに。

 

アポが取れない

一層頑張ろうと思い、家ではロールプレイングやリサーチを自主的にやっていました。

勤務中は1日90~100件にかけまくる。

家に帰れば答えに詰まったところを反復。反復。反復。

テレアポ テクニック」「テレアポ 確率 あげる」でググり、過去のインターン生の日報を片っ端から読みながら寝る。

今思えば、いろいろとやばいですね。

 

これだけ頑張ればアポもガンガンとれるようになる。

そう信じて疑わずにやっていました。

 

 

しかし、勤務2日目のアポを最後に全然取れなくなりました。

周りはどんどんアポを取るので気持ちは焦るばかり。

これではいけない、と思いもっと何かしなきゃと思う反面、

 

もう出来ることが思いつかない……

 

それまでに自分に思いつく限りのことはしていました。

時間外労働と言われるかもしれませんが、自分には必要だと思っていたからです。

 

しかもノルマは追いかけてきます。

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かけてもかけてもガチャ切り、受付でブロック、担当の人が出てきても「結構です」とばっさり。テレアポって顔が見えない分断る側はストレスを感じにくいと聞きますね。

 

自分を否定されているわけではない、とわかっていてもどんどん落ち込んでいきました。これではだめだ。でも何したらいいかわからない。どうしよう。

 

声に不安が乗ってしまうとさらに取れなくなるんですよね。これはやってみないとわからない。

 

そんなこんなで、もがき続けました。蟻地獄かよ。

 

3.最後の時

 そんなこんなで2か月が経ちました。

正直、最後はネガティブどまんなかで何を思っていたか断片的にしか覚えていません。

 

これって電話の相手に迷惑じゃ……

もっと効率の良いやり方(メルアポ)とかあるんじゃ…… 

何しに来たんだっけ……

これやりたかったことだっけ……

 

こんなの考えてたらとれるわけないじゃないですか。

先も勝ち筋も全く見えない中で心は完全に折れていました。

しかし、追いかけなきゃいけない数字はある。

でも、どうしたらいいかもうわからない。

朝が来るのが怖かった。

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まだまだ自分はこんなもんじゃないと心のどこかで思い続け電話をかけまくるも断られ、しまいには電話口で怒られる始末。

 

勤務中に涙がツーっと出てきたときはこれだめかも、とうっすら思いました。

 

社員さんに気づいたらリタイアを申し出ていました。

 

 

4.終えてみてどうだったか

こうして2か月間のテレアポブートキャンプは終了しました。

 

完全敗北です。

 

こうして苦い経験として初営業経験をしたわけですが、これで倒れていては意味がありません。倒れることと立ち上がることはセットです。これ大事。

 

相談できずに抱え込んだことがおそらく一番大きな敗因だと思います。

ノウハウがない状態で、かつ教育体制もないところだったので自分でなんとかしなきゃ、という思いが行き過ぎてしまいました。

 

また、電話をかけるリストがあるのですがもっと精査すべきだったかもしれない、と今思います。ニーズがないところに売りに行くほど難しいことはないし、相手の状況を考えずに電話をかけまくるなど言語道断です。

 

さらにコールドコールは非常に確率が低いこと。裁量のある人につながる確率がだいたい20%いかないくらい。そこからアポにつながるのがだいたい1,2回。100かけて、20つながり、1アポくらいが相場です。焼き畑農業か。

 

まだいろいろ書きたいことはありますが、これ以上は個人的に恥ずかしいのでこれくらいにしておきます。

 

 

 

以上です。

人間はAI搾取の夢を見るか

メガバンクの採用3割減。

 

10年後にはなくなる仕事。

 

 

世の人々にとってAIは希望でもあり、同時に破壊者でもあります。

 

 

 

え、マジですか。

せっかく就活してもなくなる仕事に就いたら意味ないじゃん!

 

 

 

と思ったそこのあなた。

 

ちょっと一緒に考えてみましょうか。

 

 

 

 

 

 

 

そもそもAIとは

AIってなに?という問いから始めましょう。

AIはArtificial Intelligenceの略です。つまりは人工知能ですね。

このAIという単語は1956年、ダートマス会議で初めて使われました。

 

しかし、この単語には明確な定義はありません。

Wiki先生は

人工的にコンピュータ上などで人間と同様の知能を実現させようという試み、或いはそのための一連の基礎技術を指す(Wikipediaより引用)

と言い、もっと専門的な機関では

コンピューターにより人の知的な振る舞いを実現することを目標にする研究分野

研究開発の俯瞰報告書 情報科学技術分野(2015)より引用

(国立研究開発法人 科学技術振興機構)

とも言ってます。

 

バラバラです。

 

いろんなところでいろんな定義を出しています。気になる人は「平成28年版情報通信白書」でググってください。

 

 

そしてAIには二種類あります。ここ大事です。

 

 

一つは特化型AI。これは特定の決まった作業を遂行するものであり、一つの機能に特化していることから特化型と呼ばれます。囲碁で人間の棋士に勝ったAI「AlphaGO(アルファ碁)」なんかが想像しやすいですね。

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決められたルールの中で威力を発揮するタイプです。あとは自動運転とか。

 

二つ目は汎用型AI。特定の作業など限定することなく人間と同じように、あるいは人間以上の汎化能力を有するAIを指します。この型に情報をインプットすると、その情報に基づいて様々な動きを自律的に行います。ルールがない中でも自分で思考あるいは試行することで作業を遂行する。特化型の行き着いた究極のAIですね。

 

他にも強いAIと弱いAIと区別されることもあります。

これを提唱し始めたのはジョン・サール教授(カリフォルニア大学)です。『MINDS, BRAINS, AND PROGRAMS』という論文で初めてこの表現が使われました。

引用します。

 

I find it useful to distinguish what I will call "strong" AI from "weak" or "cautious" AI (Artificial Intelligence). According to weak AI, the principal value of the computer in the study of the mind is that it gives us a very powerful tool. For example, it enables us to formulate and test hypotheses in a more rigorous and precise fashion. But according to strong AI, the computer is not merely a tool in the study of the mind; rather, the appropriately programmed computer really is a mind, in the sense that computers given the right programs can be literally said to understand and have other cognitive states. In strong AI, because the programmed computer has cognitive states, the programs are not mere tools that enable us to test psychological explanations; rather, the programs are themselves the explanations. *1

弱いAIは心の研究に使われ、それ自体が心になることはない。つまりは心理学などの心の動きを研究するときのツールとしています。

強いAIは、もはやそれ自体が心です。感情や自由意志、意思決定などの思考プロセスをコンピュータ上で再現するものであり、よくSFで出てくるアレです。

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現在、ビジネスの場で導入される動きがあるのが特化型AIです。データ解析などのアウトソーシングに使われます。人間の知能をAIに代替させるというものです。

汎用型AIには今だ問題点が多く、研究段階にあります。

 

我々が考えるべきは特化型AIの脅威ですね。

 

歴史から紐解く技術革新

AIはいわゆる技術革新にあたります。

技術革新は人類の歴史の中で幾度となく繰り返されてきた事象です。

今まで技術革新が起きた時、既存の労働者は憂き目にあったのでしょうか。

 

産業革命を経て、機械工業が発達し綿織物などの製品の生産効率は飛躍的に向上しました。

その機械に反発したのが当時手作業でこれらの製品を生産していた手工業者たちです。彼らは、自分たちの仕事を奪われまいと工場に乗り込んで、ハンマーなどで機械をぶっ壊しました。ロックですね。

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これだけ見たら、AIに仕事を奪われそうになっている我々と同じです。

たしかに、手工業者は窮地に立たされました。これは事実です。

 

しかし、注目すべきはこの後の流れ。

 

実は彼らの境遇は良い方向へと変化しました。

 

彼らは仕事を追われた後、工場で働くようになります。

機械の発達により生産効率は上がり、それによって出た利益が資本家から手工業者へ給料という形で還元されていったのです。結果的に、彼らは中産階級として日銭を稼ぐ不安定な生活ではなく、安定した給料によって、安定的でより豊かな生活へとシフトしていったのです。また、産業革命の機械発達によってエンジニアなどの新しい職業が生まれました。

 

また、1990年代から現代にかけてネオラッダイト運動が起こっています。高度になってゆくITなどによりコストカットが進み生活は苦しくなる。果てはAIによって人々の仕事が奪われるんじゃないか、というやつ。今の状況そのまんまですね。

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たしかに、ATMは普及しましたが銀行の窓口業務は依然として残ったままです。Amazonが出てきてもスーパーなどはいまだに生活の中心にあります。

 

要は使い分けです。

 

生物の歴史を見ても、窮地に立たされるということは決してその種にとって悪いことだらけでもありません。天敵に滅ぼされそうならば、天敵と戦う力、あるいはそもそも戦わないようにする擬態、子供を増やして数で圧倒するなど様々な方法で生物は生き残ろうと進化を遂げました。

 

人間も生物なのだから、ITの発達という天敵がいても時間をかけて生き残る道を探していくのでしょう。19世紀の反省を上手く活用しましょう。

 

AIの役目は創造的破壊

前項において、ちらっと産業革命でエンジニアが生まれたという記述をしました。

既存のビジネス(手工業)をぶっ壊して、新しいビジネス(エンジニア)を生んだ。

僕はAIでも同じことが起きると考えています。

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ガートナー社はこのようなAIによる影響を下図のように予測しました。

 

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スマートマシン(AIなどのテクノロジー)によって破壊される(奪われる)仕事は17%、スマートマシンによってよい影響を受けるのが合わせて34%、影響を受けないのが49%。つまりは、テクノロジーの発達によって良い影響を受ける、もしくは受けないのがおよそ8割を占めているというのです。

他にも、政府発表の資料では

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というような予測がなされています。バックオフィスや製造調達など企業のいわゆる血液のような仕事が人間の手を介することなく、AIに代替されうるということを示唆しています。これはヒューマンエラーや過剰な人的リソースの投入という無駄がなくなり、企業がスマートになることを表しているとも言えます。

 

かくしてAIによって煩雑なデータ処理などが簡略化され、人間はさらに本質的な問題へと迫るための時間やエネルギーを確保することができます。経営・商品企画やマーケティング職などの意思決定のような上流工程職、営業販売、サービス業、IT業務などへと職の流動が始まります。

 

上流工程職では人間や企業の行動の本質に迫り、営業販売やサービス業は人とリアルに接する、より人間らしい働き方へとシフトしていきます。IT業務は産業革命時のようなエンジニアです。保守管理とさらなる発展。

 

おそらくではありますが、人はよりクリエイティブな仕事を求められるようになると思います。AIには代替されない「人間ならではの発想」。つまりは、人間力の時代に入っています。

この人間力とは人の気持ちに寄り添ったり、この仕事が実際に人々が世の中の本質を見抜くことに役立っているという手触り感を感じ取る力。こういったものが今後求められる時代が到来しつつあると、僕はそう考えます。

 

 

他にも日本が現在抱える問題についても大きな進展を見せそうです。

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現在、労働人口の減少による労働力不足を移民で埋め合わせようという動きがあります。移民を受け入れるとたしかに労働力の不足は補えますが、大量に受け入れた場合を考えると治安の悪化、労働者の質の低下、日本国民の国民意識の低下、日本語教育への費用拡大、社会保障費のさらなる増大など様々な影響が出ることもまた事実です。

 

AIは業務効率並びに生産効率を飛躍的に向上させ、雇用を一部代替あるいは補完します。これにより完全とはいかないまでも相当なまでに労働力問題は解決へと向かうのではないでしょうか。

 

人間がより人間らしく、人間にしかできないことを考えるようになる。

そういうの、すごくいい。

 

 

AIはブームなのか?

実は今回のAIブーム、初めてではありません。実は三回目です。

AIは発展と停滞を繰り返して、進歩しています。

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第一次、第二次は来るには来たのですが、AIを発達させるための技術がそもそも追い付いていなかったり(インフラの問題)、迷路のような簡単な問題は解けても現実の複雑な問題は解けない(アルゴリズムの問題)といったようにブームと冬の時代を交互に繰り返すものでした。

 

しかし、2010年に第三次AIブームが起こります。

これは単なる一過性のブームではないと考えます。

主な理由は3つです。

 

①コンピューター自体の処理速度の向上

これはわかりますよね。

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第二次ブームが来た1980年代でもPCはこんな感じです。

もはや説明不要。詳しい人は教えてください。

コンピューターの処理能力の向上によりアルゴリズム解析の分野も進歩しました。

 

ビッグデータの利用

現代社会ではインターネットが急速に発達し、我々の生活には必要不可欠のものとなっています。インターネット上では膨大な量の情報がやりとりされ、その情報はリアルタイムで解析、傾向が蓄積されていきます。

最近はビッグデータとも呼ばれていますね。この膨大なデータを解析し、傾向を見つけ出す。AIの得意分野ですね。さらにディープラーニングなんかも発見されました。

これ以上書くと専門の人に突っ込まれそうなので黙っておきます。

気になる方は自分で調べましょう。

 

③AIへの関心の高まり

僕はこれが一番大きいと考えています。

現在ではAIのプログラミング言語Pythonなどは勉強しようと決心すればいくらでも専門的な教育を受けることができます。

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また、AI自体がアマゾンのAlexaなどのスマートスピーカーなどを通じて生活に浸透することになり、AIという存在が当たり前になっていきます。

 

このAIという存在が当たり前になるということが非常に大きな転換点です。なぜなら、生活に密着した技術というのはできるだけ動作が精確で、実用に耐えうるものでなければなりません。それこそしょっちゅう動作不良を起こすようなら使い物になりません。

実用に耐えうるようになったことで、人は新たな使い道を考えるようになります。これによってAIが加速度的に進化すると考えています。

AIへの関心の高まり、そしてそれを助ける裾野の広がり。

すごいですね(小並感)。

 

以上の3点が第三次AIブームがブームで終わらなさそうだ、という予測の理由です。

 

これ以上話すと専門の人にボロッカスに叩かれるのでやめます。

 

 

あとがき

今回はちょっと技術的な専門外の話をしたので頭が痛いです。

現代日本には課題が山積みです。しかし、それを解決してくれるかもしれない。あるいは、解決の糸口になるかもしれない。

それがAIだと考えています。

 

日本は少子高齢化により労働人口が減少し、現役世代に多大なる責任がのしかかっていることは疑いようもない事実です。そんな中で、僕たちのようなこれから社会に出ていく若者は少しでも質の高い、生産性のある仕事をすべき……とまでは言いませんが、人間にしかできない仕事について考えるきっかけになれば幸いです。

 

2045年にはシンギュラリティ、いわゆる技術特異点(AIの知能が人間を超える日)が来ると言われています。

しかし、AIを有効活用するということは人間の能力を強化することもできます。

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また、人間と人間を調和させるのは、人間にしかできないことです。

自分の夢や哲学、理想を共有し、人間でしか戦えないフィールドで仕事をする。AIに任せられるところは任せちゃいましょう。だけど、人間のコアな部分は任せちゃダメです。

 

 

実はこれスタンリーキューブリック監督の「2001年宇宙の旅」の番宣記事みたいなもんです。嘘です。

 

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気になった方はぜひ見てください。

 

以上です。

 

 

10年後の仕事図鑑

10年後の仕事図鑑

 

 

 

 

 

AI時代の働き方と法―2035年の労働法を考える

AI時代の働き方と法―2035年の労働法を考える

 

 

 

なぜ人は働くのか。

 

 

日本の大学生が最も恐怖することは何か。

 

好きな子に振られること?

単位を落とすこと?

今度のイベントが失敗すること?

 

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スーツを着る、誇りを着る。後編

前回の続きです。

 

 

kawausoman.hatenadiary.jp

 

 

前回は長ズボンの登場とダンディズム、ラウンジスーツの登場までを見てきました。

スーツという基本形はできましたが、20世紀以降は時代ごとに世相を反映したスタイルとなっていきます。今回はそれについて見ていきましょう。

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